ねえじいさん

夜の公園でジャングルジム
前腕を鍛える目的で
よじ登ったりぶら下がったり
物理科学の実習だ

月が湿って真夜中を過ぎて
寝静まった住宅街で
息弾ます男・ジャージ・二十五歳に
二階の窓からじいさんが

「 こんばんは 最近は
   階段が見つからないから
   外に出られないんだ  」

 だってさ

 劇場版ドラえもん『のび太とアニマルプラネット』
 光の階段・星の船・ツキの月・ピンクのもや

 俺のばあちゃんもボケ始めた時
 丑三つ時に玄関で
 「お迎えが来たから外ゆきの靴を探してる」
 と云っていた

 「 ねえじいさん 階段は
   簡単に消えて無くなったり
   するもんじゃないと思うけどな〜 」

 嗚呼!

 ねえじいさん
 今一番
 何がしたい?

 今流行りの独居老人
 少子高齢化の生贄のようで
 昼間歩いてる時に家族と一緒に
 ウロウロしてるの見たことあるよ

 ボケた爺さん頭の中から家族殺してる
 医療制度が整って平均寿命が延びて
 そしたら余計な金勘定ばっか悲しいね
 時代の申し子はもうすぐ死出の旅

 この生命を全うします
 お約束します
 ねえじいさん

作詞作曲:原田卓馬

転載・改変・本歌取り・盗作はご自由にどうぞ。
二次創作やオマージュ作品を発表される際にはご恵投くださると光栄です。
© 1986-20XX Takuma Harada. All Rights Renounced.

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